効果的なASO戦略を立てる方法
アプリのランキングには、キーワードやクリエイティブ、評価、ダウンロードベロシティやリテンション率など様々な要素が考慮されるため、効果的なASO(アプリストア最適化)戦略を立てることは、決して簡単ではありません。そもそも実施している戦略が「効果的」なのかが判断できず、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。このようなお悩みをお持ちの方向けに、今回の記事ではすぐに実践できる効果的なASO戦略の立て方や測定方法について1から解説していきます!
ASO戦略とは、アプリのオーガニックダウンロード数を増やすことを目的に、アプリストア内での露出度や認知度を向上させるための対策を計画および実行するプロセスを指します。ここでは、効果的なASO戦略を立て方を6つのステップにわたってご紹介します。
1. 目標とKPIを設定する
ASO戦略の大枠をつかむためには、まず優先順位や目標、KPIを設定することが重要です。
ASOにおける目標やKPIの例として以下のようなものがあります。
- キーワードの可視性を35%向上させる
- アプリページのコンバージョン率を20%向上させる
- 評価を4.5以上を維持したまま、レビュー数を2倍獲得する
- APAC向けにアプリページのローカリゼーションを行い、最も関連性の高いキーワードで上位10位にランクインする
2. 現状のパフォーマンスを把握する
目標設定後は、自社アプリの現状について把握する必要があります。これは特にキーワード最適化を行う上で重要です。狙ったキーワードでランクインできているか、取り入れたキーワードがダウンロード促進に貢献しているかかなどを確認し、メタデータのパフォーマンスを評価しましょう。
どのキーワードを残し、どのキーワードを変更すべきかを判断するためにも、このような調査は欠かせません。
アプリの現状のパフォーマンスを測定する際は、AppTweakのようなASO対策ツールを活用するのがおすすめです。その理由について、アメリカのパーキングアプリ「SpotHero」を例にご紹介します。
Spot Heroは、Apple Apple Storeで「parking」「find」「garage」「airport」といったキーワードをメタデータに含んでランクインを狙っています。しかし、AppTweakのキーワードツールで各キーワードのランキングやインストール数を確認すると、「garage」についてはインパクトがあまりないことがわかります。「parking」「find」や「airport」については、パフォーマンスが良いため、ランキングを維持するためにもそれらは変更せず、「garage」のみ別のキーワードに置き換えることが最適だという判断できます。
ASO戦略においてキーワードは極めて重要ですが、数ある要因の一つに過ぎません。アプリのプロダクトページを最適化する上で欠かせない考慮すべきその他の要因についても理解を深めましょう!(英語)
3. 競合の戦略やアップデート、A/Bテストについて把握する
自社アプリのASO戦略を立てる前に、競合アプリがこれまで行ってきた施策を分析し、何が効果的で何が効果的でなかったかを見てみましょう。このように競合の戦略を分析することは、自社アプリの戦略を立てる上でのアイデアを得るだけでなく、失敗を防ぐのにも役立ちます。競合データを最大限に活かすためにもキーワード、クリエイティブ共に競合分析を行うことが推奨されます。
競合調査からどのようなインサイトが得られるかを、マッチ3ゲームアプリ「Empires & Puzzles」のアイコンアップデートを例に掘り下げていきましょう。
- まず、アイコンのテーマがテストされました。その後のアップデートを見ると、一番左のキャラクターに焦点を当てたアイコンが最も効果的だったことがわかります。
- 次に、アプリ名を入れるかどうかのテストが行われました。
- そして、マッチ3ゲームであることをより強調するためにジェムのイメージを追加した状態のアイコンがテストされました。
- 更新履歴を見ると、ジェムを追加した方がダウンロード数に良い結果をもたらしたと推測できます。そこから更に、よりジェムに焦点を当てたアイコンの効果がテストされたことがわかります。
4. メタデータの更新に向けた準備を行う
自社アプリ、競合アプリ共に戦略の見直しができたら、次は質の高いメタデータ作成に向けた準備を行いましょう。
メタデータのテキスト部分を変更する前には、入念なキーワード調査が欠かせません。関連性が高いかつ上位にランクインできそうなキーワードを選定するためにも、アプリストアで検索頻度の高いキーワードや競合アプリがランクイン中のキーワードを把握しましょう。
AppTweakのキーワード分析ツールでは、競合アプリがランクインしているキーワードのうち、まだ自社アプリのプロダクトページで使用していない「チャンスキーワード」を簡単に見つけることができます。
また、クリエイティブの更新を行う際は、そのアプリのカテゴリにおけるデザインのトレンドやベストプラクティスの事前リサーチを行いましょう。注目すべきポイントとしては、よく使われる配色やスクリーンショットの向き、コピーで何を訴求しているかといった要素が挙げられます。
AppTweakのカラーパレット分析機能を活用すれば、一目で頻繁に使用されるアイコンの配色をカテゴリごとに見ることができます。
5. 更新スケジュールを明確にする
メタデータに手をつける前に、明確なタイムラインを立てることも重要です。アプリのダウンロードに影響を及ぼす内的・外的要因は様々であるため、実施したASO戦略の効果を正確に測定するためには欠かせないステップとなります。
したがって、クリエイティブとキーワードの更新を同時に実施することは絶対に避けましょう。同時に行ってしまうと、せっかくコンバージョン率が上がっても、それがキーワード最適化によるものなのかクリエイティブ最適化によるものなのかの見極めが難しくなってしまいます。また、更新の頻度についても、間隔を十分に空けるようにしましょう(3〜4週間が推奨されています)。間隔を空けることで、クリエイティブのパフォーマンス測定に必要なデータを収集する時間が十分に設けられます。その上、アプリストアのアルゴリズムがキーワードの変更を考慮しランキングを更新するにも3~4週間ほどかかるといわれています。
更新タイムラインを決める際には、UAチームやプロダクトチームと連携を取り、ユーザー獲得ファネルにおける各段階が揃い、最大限の効果が発揮できるよう確認しましょう。各アップデートの効果を測定するためにも、それぞれのチームが具体的に何を実施したかを常に互いに把握する必要があります。Apple、Google両社ともオーガニック検索・有料検索によるダウンロードを区別していないため、例えば、キーワードを更新すると同時にASAにかける費用を増額した場合、ASO対策によるオーガニックな結果のみを測定することが難しくなってしまいます。
メタデータの更新頻度について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください!(英語)
6. 実装→測定→分析→反復
Google Play Storeでは、アップデートを完全に実装する前に、A/Bテストを行うことができます(アプリ名の変更を除く)。A/Bテストを作成すると、Googleはユーザーを様々なサンプルに分けて異なるバージョンを見せ、各バージョンのパフォーマンスを測定します。これにより、主観的な判断ではなくデータに基づいた判断ができるようになります。
ASO対策は長期的なプロセスです。アップデートが反映されたら、パフォーマンスを分析し、必要に応じて試行錯誤を重ねる必要があります。また、ストアのアルゴリズムの更新や新しいアプリのリリースなどによりランキングは変動しかねないため、可視性を保つためにもその変動に応じて必要な対策をとることが重要です。
ワンポイントアドバイス
効果的なASO戦略を立てるには、アプリストアでのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性のある最新のASOトレンドにもアンテナを張りましょう!
まとめ
アプリのオーガニックダウンロード数を向上させるのに効果的なASO戦略を立てるには、以下6つのステップに従いましょう。
- 目標やKPIを設定する
- 現状のパフォーマンスを把握する
- 競合の戦略を把握する
- メタデータの更新に向けた準備を行う
- 更新スケジュールを明確にする
- 実装→測定→分析→反復
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