アプリの成長戦略におけるストアのレビューと評価の重要性とは?
アプリのレビューや評価は、ユーザーからの第一印象を決定する重要な要素です。そのため、ASO (アプリストア最適化) 対策の一環として常にレビュー・評価を管理することが欠かせません。
今回の記事では、アプリの成長戦略におけるレビューと評価の重要性やストアでの可視性 (露出度) に与える影響について解説していきます。
App Store・Google Playにおけるレビューと評価の違いとは?
本題に入る前に、まずはレビューと評価の基本について見ていきましょう。
- 評価: ユーザーは、1~5までの5段階のスコア (星) で評価をつけることができ、コメントは任意である
- レビュー: ユーザーは、口コミを書くとともに、1~5までの5段階のスコア (星) で評価をつけることができる
ストア上では、レビューよりも評価スコアの方がよりユーザーの目につきやすい場所に表示されます。また、Apple・Googleとでは、レビュー・評価の定義自体には違いがないものの、押さえておくべき異なるポイントがいくつかあります。
- レビューと評価は、iOSよりもGoogle Playの方が影響力があります。Google Playでは、カテゴリランクやオファー画面、検索結果やストア掲載情報など、アイコンが表示される場所には必ず評価スコアも表示されます。また、Google Playストアのアルゴリズムは、直近で獲得した評価やレビューをより重点的に考慮しながらアプリの総合評価をつけます。
- iOSでは、評価・レビューが表示されるのは検索結果とプロダクトページの2ヶ所のみです。また、Google Playと異なり、iOSでは直近のレビュー・評価と過去のものではランキングにおいて比重が変わりありません。たとえレビューが2年前に書かれたものでも、今日書かれたものと同様の重みを持ちます。
アプリのレビュー・評価がユーザーの意思決定に与える影響と重要性
ユーザーの大半が、評価スコアを考慮しながらアプリをダンロードするか検討します。つまり、アプリの評価点はコンバージョン率において大きな影響を与えます。
- 総合評価点が3点から4点に上がると、コンバージョン率が最大89%上昇する傾向にあります。また、Apptentive社の調査によると、ユーザーの約79%がダウンロードする前に評価とレビューを確認し、ユーザーの約71%がアプリの評価点が4以上だとブランドに対してポジティブなイメージを持つ傾向にあることが判明しました。
カテゴリランキングで上位にあるアプリの大半は、総合評価点が4.0を超えています。カテゴリランキングでは、1日あたりのダウンロード数 (ダウンロードベロシティ) が考慮されるため、コンバージョン率が高いほど、ランキングが上昇する可能性も高くなります。
- 検索キーワードランキングについても、コンバージョン率が考慮されるため、ポジティブなレビュー・評価の獲得が欠かせません。
- App Store・Google Play共に、特集掲載で取り上げられるアプリはどれも総合評価点が4.0を超えています。評価点が4.0を下回ると、特集掲載される機会、つまりリーチを拡大するチャンスを逃してしまいます。
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アプリのコンバージョン率におけるレビュー・評価の影響
前述の通り、ユーザーの79%はアプリをダウンロードする前にレビュー・評価をチェックし、71%は総合評価が4以上のアプリに対して良い印象を持つため、評価スコアを3→4に1点上げるだけでコンバージョン率が最大89%UPすると言われています。
レビュー・評価がコンバージョン率にこれほどの影響を与える理由は主に2つあります。
- 存在感: 星の数 (=総合評価点) はかなり目立つ位置に表示される上に、ぱっと見で良し悪しがわかる指標であるため、ユーザーに注目されやすい項目です。
- 信憑性: 評価スコアがどれほどの影響を与えるかは、カテゴリによって多少異なるかもしれませんが、例えばユーザーが2つの類似アプリで迷っていて機能性にそれほどの違いがない場合、評価スコアが高い方を選ぶ傾向にあります。特にお金などに関わるファイナンス系のアプリについては、信憑性が重要視されるため、より評価やレビューが参考にされます。信憑性を確立するには、総合評価点4.3以上を獲得することがベストですが、最低でも4.0を維持したいものです。これを下回ってしまうと、コンバージョン率に悪影響を及ぼす可能性があるため常に追跡・分析し、改善にあたって対策を打つ必要があります。
アプリのコンバージョン率に左右されるASO要素
レビューと評価がコンバージョン率に与える影響について理解したところで、続いてはコンバージョン率に左右される両ストアのASO要素を見ていきましょう。
1. アプリのカテゴリランキング
カテゴリランキングは、1日あたりのダウンロード数 (ダウンロードベロシティ) によって決まります。アプリの評価が低いと、コンバージョン率も低くなり、結果的にカテゴリランキングも下がってしまう恐れがあります。
カテゴリランキングで上位表示を目指すにあたって、必要なダウンロード数をAppTweakのMarket Intelligenceツールで確認しましょう!
2. オーガニックキーワード検索における表示位置
コンバージョン率は、カテゴリランキングだけでなく、キーワード検索の表示順にも影響を与えます。両ストアのアルゴリズムとも特定のキーワードにおけるコンバージョン率をもとに検索結果の順位を定めています。検索ボリュームが高く、競争率が高いキーワードは特に、コンバージョン率の影響を受けやすくなっています。
アプリのダウンロード数を伸ばすのに効果的なキーワードの選び方についてはこちらの記事も合わせてチェック!
3. Apple Search Ads (ASA) キャンペーン
ASAでの入札額は、特定のキーワードに対してあなたのアプリがどれだけ関連性があるかに基づいて決まります。Appleがアプリとキーワードの関連性を判断する際の要素の一つが、そのキーワードでのオーガニック検索順位です。狙いたいキーワードのコンバージョン率が低いと、検索順位も低くなり、同じキーワードで上位にランクインしているアプリに比べ、ASAキャンペーンにおける入札額が高くなってしまいます。
Apple Search Ads (ASA) とは?活用法を徹底解説!
4. App Store・Google Playでの特集掲載
Apple・Google共に特集掲載で取り上げるアプリを決めるにあたっては、総合評価点が考慮されており、スコアが4.0を下回るアプリが特集掲載されているケースは稀です。
コンバージョン率がアプリストアでの可視性に与える影響
コンバージョン率が下がると、カテゴリランキング、検索結果、ASA (iOS) 、特集掲載すべてに悪影響を及ぼし、ストアでユーザーにアプリを知ってもらう機会 (=可視性) が限られてしまいます。
これら4つのASO要素は互いに作用し合うため、コンバージョン率を高めることがストア全体のパフォーマンスUPに繋がります。
ASOとASAの相乗効果 (シナジー)
オーガニック施策または広告を使用した有料UA施策どちらかに注力しているアプリは少なくありません。しかし、実はASO対策・Apple Search Ads両方を合わせることで、相乗効果を創出し、全体のパフォーマンスを底上げすることができます。
ASAキャンペーンを実施すると、入札したキーワードに対するインプレッションとダウンロード数が増加します。入札したキーワードのコンバージョン率が高ければ、オーガニック検索結果でのランキングも上昇し、これによりApp Storeのアルゴリズムは、キーワードとアプリの関連性が高いと判断するため入札単価が下がります。そして、キーワードの入札単価が安くなるほど、インプレッションとダウンロード数が増えるという好循環サイクルが生まれるのです。
また、ストアで特集されることは、カテゴリランキングを向上させるにあたって一時的にインプレッション数・ダウンロード数を増やす簡単な方法です。あくまでも短期で一時的に成果を出す手段ではありますが、競合に打ち勝つチャンスをもたらします。以下のグラフは、App Storeにおいて「今日のゲーム」として特集掲載されたことによるカテゴリランキングの上昇を表します(紫色の点線が特集された日、赤い線がカテゴリランキングの推移)。
グラフからわかる通り、特集掲載された日に一気にランキングが伸びており、一時的ではあるもののその効果は大きいため、特集されるチャンスを上げるためにも高評価を獲得できるように対策を打つことが重要です。
最後に
今回ご紹介したように、アプリのレビューや評価を常に監視・分析し、それをもとに改善に努めることは、より多くのユーザーへとリーチを高めたり、コンバージョン率を高めるのに欠かせない重要なASO対策の一つです。評価が低かったり、ネガティブなレビューが多かったりすると、ブランディングにはもちろん、その他のアプリマーケティング施策に悪影響を及ぼします。
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