ASAの効果を最大化するためのカスタムプロダクトページ活用方法
iOSアプリ向けの検索広告、ASA(Apple Search Ads)は、特定のターゲットオーディエンスへのリーチを拡大しながらアプリを宣伝するのに強力なツールです。しかし、広告を出したところでインプレッション数に対するコンバージョン率が低ければ、費用がもったいないですよね。
ASAの効果を最大限に引き出すには、キャンペーンを作成する際に設定できる数々のオプションを駆使することが重要になります。
その中でも特におすすめなのが、2022年1月にリリースされた「カスタムプロダクトページ(CPP)」というApp Storeの機能で、デフォルトのプロダクトページに加え35パターンまで、固有のURLを持ったアプリページが作成可能になりました。つまり、ターゲットとしているユーザー属性のニーズや興味・関心に訴求したアプリページが作れるようになったのです。
今回の記事では、ASAのエンゲージメントやコンバージョン率、ROIを高めるにあたって知っておきたいCPPの活用方法について事例も交えながらご紹介していきます。
ユーザーの検索意図に紐づいたCPPを作成してASAのキーワードパフォーマンスUP
CPPの活用方法の一つとして、ユーザーの検索意図に紐づいたアプリページを作成するという手があります。
例えば、複数の言語が学習できるサービスを提供しているアプリの場合、「英語 学習」と検索したユーザーには英語学習を強調したアプリページが表示されるように、「フランス語 学習」と検索したユーザーにはフランス語の学習を強調したアプリページが表示されるように設定することができます。
フランス語が学びたくてアプリを探しているユーザーにとっては、「英語、中国語、スペイン語など40ヶ国語以上から選んで学べる!」と書いてあるページよりも「初心者から上級者までレベルに合わせてフランス語が学べる!」と書いてあるページの方が訴求力が高いと思いませんか?
このように、ユーザーの属性や検索意図に合わせてパーソナライズされたCPPを作成することで、キーワードのコンバージョン率を高めることができ、CPI(Cost Per Install)の削減にも繋がるため、結果的に入札単価を高めて競争に勝ちやすくすることができます。
つまり、コストを抑えつつもより多くのダウンロードが見込めるようになるのです。
ワンポイントアドバイス
特定のキーワードにおけるユーザーの検索意図を掴むには、実際にそのキーワードをApp Storeで検索し、トップ10にランクインしているアプリの傾向を分析してみると良いでしょう。自社の強みを強調したCPPで競合他社のブランドキーワードを狙う
自社アプリが属するカテゴリで類似性が高いアプリが上位にランクインしている場合、CPPを工夫することで、競合他社のブランドキーワードを検索しているユーザーを狙うことができます。
ブランドキーワードを用いた検索は、App Store上で検索される全キーワードの約24%にしか満たないものの、トラフィックにおいては約49%を占めます。つまり、ブランドキーワードを狙って入札することは、露出を高める上で欠かせません。
しかし、ブランドキーワードで検索を行ったユーザーは、ほとんどの場合すでに目当てのアプリがあるため、本来の目的からそらすことは難しくなります。そこで、重要になるのが訴求力の高いカスタムプロダクトページを作成することです。
戦略として有効なのは、例えば、レビューなどから競合アプリの弱点や欠点を掴み、それを補う自社の機能や特徴をプロダクトページで強調することです。
自社アプリにとって適切な競合アプリを特定するためのAppTweak活用方法についてはこちら
ロケーションごとにCPPを作成する
カスタムプロダクトページは、エリアごとにユーザーをターゲティングする上でも非常に役立ちます。
例えば、フードデリバリー系アプリの場合、ユーザーが住むエリアによって表示するレストランを変更したCPPを作成する(=その地域の人気レストランがアプリ内に掲載されている様子をスクリーンショット等で見せる)ことで、より馴染みがあり訴求力の高い広告になるでしょう。
これは、複数の国でアプリをリリースした場合に特に重要で、アプリを展開する市場に合わせて使用する画像やテキスト、その他ビジュアル要素を現地のユーザーに響くようローカライズすることがコンバージョンを高めるにおいて欠かせません。
デモグラフィックごとにCPPを作成する
CPPは、年齢、性別、興味・関心などユーザーのデモグラフィックごとにも作成することができます。
例えば、子供向け教育アプリの場合、年齢層ごとに異なるアプリページを作成し、それぞれにおいて適切な学習教材やアクティビティを強調することができます。この場合、年齢層の分類方法としては、幼稚園、小学校低学年、小学校高学年向けなどに分けてカスタムプロダクトページを作成すると良いでしょう。
以前アプリを利用したことがあるユーザーの再ダウンロードを促すためにCPPを作成する
最後に、CPPの効果的な活用方法として挙げられるのが、新機能やアップデート情報を強調し、以前アプリを利用したことがあるユーザーの再ダウンロードを促すことです。
失効したユーザー(=アプリをアンインストールしたユーザー)をターゲットとしたCPPを作成し、以前のバージョンからの改善点や新しく追加された機能をスクリーンショット等でアピールすることで、再ダウンロードしてもらう可能性を高めることに繋がります。
例えば、写真加工アプリの場合、ユーザーが思わず試したくなるような新たに追加したフィルターや編集ツール、SNSとの連携機能などをピックアップすることで、興味を引くことができるかもしれません。
+α:CPPを使用してA/Bテストを行う
Appleは、A/Bテスト専用のツールももちろん提供していますが、アプリページの効果を検証するにおいては、CPPから取得できるデータの方が信憑性が高い場合もあります。
2つ以上のカスタムプロダクトページを作成し、それぞれに異なるデザインやキャッチコピーを載せることで、ユーザーエンゲージメントやコンバージョン率、ROIにおいてどのパターンが最も効果的なのかを検証することができます。
ただし、CPPを利用してA/Bテストを行う際の注意点として、必ずテストする要素を一つに絞るようにしましょう。一度に多くの要素をテストしてしまうと、具体的にどの部分が訴求力を高めているのかが判断できなくなってしまいます。一点に絞ることで、より信憑性のある検証結果が得られるでしょう。
最後に
Apple Search Adsキャンペーンのパフォーマンスを高めるにあたって、カスタムプロダクトページは強力なツールです。ユーザーの検索意図や目的、傾向に合わせてパーソナライズされたプロダクトページを作成することで、アプリを見つけるところから実際にダウンロードして利用するに至るまで、よりシームレスなユーザー体験を提供することができます。
CPPでユーザーのニーズや関心に寄り添うことで、ターゲットとしてるキーワードのコンバージョン率を高め、CPIを削減し、オークションで競合に勝てるような広告予算の使い方ができるようになるでしょう。
CPPを含むApple Search Adsのカスタムオプションを余すことなく活用し、アプリのエンゲージメントやコンバージョン率、ROIを改善しながらキャンペーンの効果を最大化しましょう!