広告ポートフォリオを多様化させましょう:Apple Search Adsキャンペーン、広告グループ、および入札分析
今回は、キーワード分析、キーワードターゲティング戦略やApple 検索広告 (ASA) キャンペーン管理を支援する自動化ツール「Search Ads Maven」を提供するKochava社より、ASAにおける検索キーワードの競合に勝つための方法についてご紹介いただきます (※Search Result Campaignsについてのみ)。
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初めに、キャンペーン、広告グループや入札がどのようにASAと関連しているかを理解することが重要です。
- キャンペーン – ASA上の広告費予算を形成する「コンテナ」です。キャンペーンはセグメンテーション、広告グループ設定、デバイス・ターゲティングおよびキーワードを含みます。
- 広告グループ – 広告のターゲット、入札およびスケジューリングを定義します。
- 入札 – すべての広告主がASAの検索結果のトップページへ広告を表示するために競い合うオークション形式のシステムです。(ほとんどの場合) もっとも高額な入札をおこなった広告主の広告が他の広告よりも上位に表示されます。
このような考え方は長い間オンライン・マーケターにとって当たり前のものでしたが、それぞれがASAと独自の相互作用を持っていることにも注意すべきです。
キャンペーン
キャンペーンはASAで実施されるすべての広告をオーガナイズする基本的な枠組みです。推奨はしませんが、キャンペーンを1つだけ作成してキーワードと予算をそこに割き、放置することも可能です。とても非効率的な運用方法ではありますが、より効果的な戦略を学ぶための初めの段階としては良いかもしれません。
最初におこなうことは特定のターゲット・オーディエンスとその獲得に必要な広告費を決定することです。現在、アプリを検索から直接探しているユーザーは、関連しないワードで検索しているユーザーと差別化されていません。しかし、より高いコンバージョン率を実現して広告を実施する価値を高めるためには、キャンペーンをそこから分離させる必要があります。費用対効果 (ROAS) を最大化するための微調整が求められるのです。ユーザーの区別化として、アジアとヨーロッパで分けるなど位置情報に基づいたターゲティングを行ったり、iPadユーザーとiPhoneユーザーといったように機種別でターゲティングを行ったりすることも可能です。
ASAでは、キャンペーンを以下の4つのタイプに分類することが推奨されています。
- ブランド – 対象アプリを直接検索するユーザーに対するキャンペーン
- カテゴリー – 対象アプリと同じカテゴリーを検索するユーザーに対するキャンペーン
- 競合 – 対象アプリと類似したアプリを検索するユーザーに対するキャンペーン
- ディスカバリー – 対象アプリの内容に関連した一般的なキーワードで検索するユーザーに対するキャンペーン
それでは、キャンペーンをこれらの4つのカテゴリに分類してみましょう。キーワードについてはすでに説明したので、ここでは詳細を省略しますが、キャンペーンに沿ったキーワード戦略の立案は必須です。
ほんの少し計画と戦略を工夫することで、元のキャンペーンと同じ予算でより良いパフォーマンスやROASを得ることができます。続いて、広告グループについて、キャンペーンへの関連性や戦略にもたらす効果を見ていきましょう。
広告グループ
上記で定義した広告グループには、ターゲットとするデモグラフィックやスケジュール管理、予算管理が含まれています。キャンペーン自体は、一つの広告グループを作成すれば機能しますが、ターゲットや予算がまったく異なる複数の広告グループを設定することも可能です。複数の広告グループの設定が推奨される例として、「ブランド」キャンペーンを詳しく見ていきましょう。
こちらでは、自社アプリに関連したブランドキーワードで検索を行ったすべてのユーザーをグループ化し、そのすべてのユーザーに同じ最大タップ単価 (CPT) を設定することとします。例えば、教育アプリの広告を実施するに当たって、アプリに最も関心のあるユーザー層が米国の20〜30歳の親であることがわかっていると想定した場合、他の広告グループの費用をより最適なものに調整することができます。
これで、同じキーワードをターゲットにした1つのキャンペーンができ、それを更にターゲット別で2つの広告グループに分け、それぞれに適した予算を設定することができました。
入札 – 入札分析とその入札を勝ち取る方法
ASA内での入札に関して最も重要な要素は、競争力です。自社アプリが何千もの他のアプリと一緒にオークションに参加しているところを想像してみてください。そして、各アプリはこの狭い空間の中でそれぞれ複数のキャンペーンを同時に行っているとします。このような状況下だと、予算を大幅に超えて浪費してしまったり、思うような効果が得られなかったり、最悪の場合同じアプリのキャンペーン同士が競い合ったりというような状況に陥ってしまいます。ただし、実際のところオークションとは異なり、ASAでは最も大きな金額を払った入札者が必ずしも落札するとは限りません。それ以上にApple社のオークション・アルゴリズムは複雑であるといわれています。
Appleのアルゴリズムは、主にCPTと広告の関連性の2点を重要視しています。CPTにおいては、やはり最もコストをかけたキャンペーンが上位に表示されますが、同時に、表示された広告が検索をかけたユーザーにとって関心の高いものになるよう設定されています。Appleはその二つの要素のバランスを取るため、通常ユーザーが実際に広告をタップした時のみ料金が発生します。そして関連性については、過去の広告のパフォーマンス、レビューと評価やメタデータとの関連性が考慮されています。そのため、関連性を最大化するためにもメタデータを整えて有効活用することは必須です。また、より多くのレビューや評価を獲得するために、アプリ内でレビューや評価を呼びかけるポップアップの設定を検討するのも良いかもしれません。
それでは、ASAのインサイトにおける入札範囲と入札強度は何を意味するのか、それらがキャンペーンを設定する上でどのような影響を与えるのか、また逆にキャンペーンの設定方法がそれらにどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。 Appleは、キャンペーンのキーワードと入札単価を分析し、最適化するための提案をしています。
- 入札範囲 – 入札単価と広告表示の可能性を最大化するための最小から最大のタップ単価 (最大CPT) の推奨範囲
- 入札強度 – 競合他社の入札をベースに自社キャンペーンの入札の強さを表した指標
これらの値は両方ともASAプラットフォームによって提供され、Appleがバックエンドで測定したインサイトに基づいています。これらのインサイトは広告とのユーザー・インタラクション、競合他社のパフォーマンス、入札履歴などから推定されます。キャンペーンを作成する際、入札範囲を構成する入札額を選択しますが、最大結果の設定が高すぎると競合関連のキーワードのタップに対して過剰な額を支払うことになるため注意が必要です。Appleが提案する推奨額は考慮すべきであるものの、入札範囲を設定する際は獲得単価 (CPA) を念頭に置きましょう。
このように、同じ費用をASAにかけるにしても、キャンペーンの分類や広告グループの作成をすることでより細かくユーザーのターゲティングを行い、入札の競争力を強化するために関連性を高めることは、極めて重要です。
更に、AppTweakのAd Intelligenceツールが提供する検索広告・SNS広告インサイトを活用し、より効果的なユーザー獲得戦略の策定を行いましょう。