【ゲーム向け】アプリのダウンロード数を伸ばすためのASOポイント7選

Rina Yoshida by 
Marketing Manager at AppTweak

1 分の読了時間

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モバイルゲームのマーケティングの一環として、広告を利用されている方は多いのではないでしょうか。広告ももちろんアプリのユーザー獲得ににとって効果的ではありますが、コストを抑えながらダウンロード促進を目指す方法としてASO(アプリストア最適化)があります。

ASO対策と聞くと、アプリページのメタデータに入れるキーワードの選定などが思い浮かぶかと思いますが、ASOには他のマーケティング施策にも相乗効果をもたらす様々な要素が含まれます。

モバイルアプリ業界、特にゲームアプリに関しては、年々競争が激化しているため、上手くアプリの集客を行うにあたっては競合他社との差別化が求められます。

今回の記事では、ゲームのマーケティングを成功に導くのに押さえておきたいアプリストア最適化のコツを7つご紹介します。


1. メタデータのキーワードを最適化する

メタデータのテキスト欄を最大限に活用しよう

App Store・Google Play両方において、ゲームの魅力をアピールできるスペースは限られています。そのため、与えられたスペースをいかに戦略的に活用するかがカギとなります。

アプリ名やサブタイトル(Androidでは「簡単な説明」)、説明文などといったテキスト欄を有効活用し、ユーザーがをダウンロードすることにより期待できるゲームの内容をわかりやすく伝えるようにしましょう。また、獲得できる特典やメリットなども含め、ゲームを試したくなるような動機を与えることも重要なポイントの一つです。

アプリストアのテキスト欄には、それぞれ異なる役割があります。例えば、アプリ名、サブタイトルや簡単な説明は、どちらかといえばコンバージョン率を高めるのに重要な要素であるため、簡潔でありながらもユーザーの興味を引くようなキャッチーなフレーズを含むようにすると良いでしょう。また、アプリ名については、自社のブランド名とゲームプレイに関連性が高いキーワードを含むことが推奨されます。

(詳細な)説明文は、ゲームの内容をより詳しく説明するためのスペースです。一般的に、説明文までじっくりと読むユーザーは少ないため、説明文まで読むユーザーは、ゲームをダウンロードするか判断する上でもう少し詳しい情報を探している可能性が高いということを念頭に置きながら書くようにしましょう。

上の2つの例は、どちらもタイトル欄にアプリ名だけでなく、どんなゲームなのかが瞬時にわかるフレーズを含んでいます。さらに、説明文に実績や特典を含み、ユーザーにメリットを訴求していることがわかります。
上の2つの例は、どちらもタイトル欄にアプリ名だけでなく、どんなゲームなのかが瞬時にわかるフレーズを含んでいます。さらに、説明文に実績や特典を含み、ユーザーにメリットを訴求していることがわかります。

メタデータで関連性が高い非ブランドキーワードを狙おう

メタデータに含む内容を考える際は、ゲームを探しているユーザーだけでなく、Apple・Googleそれぞれのストアのアルゴリズムも考慮しなければなりません。ストアのアルゴリズムは、ゲームの用途に対する理解を深め精度を高めるために、定期的にアプリページを分析しています。どんなゲームなのかを示唆する上で重要になるのは、やはりメタデータに含まれているキーワードです。

ゲームをストアでリリースしたばかりの段階では、アプリページのメタデータで狙ったキーワードが使用された検索クエリに対してアプリが表示されます。そこから、クリック率などによって、ユーザーの検索クエリに対してどれだけアプリが適切なのか、魅力的なのかが見極められます。ユーザーの検索クエリに対するコンバージョンが低いと、検索結果での順位は下がり、コンバージョンが高いほど検索順位は高くなります。

そのため、キーワードの検索ボリューム(=人気度)だけに頼らず、関連性がどれだけ高いかを重視しながらメタデータを作成することが大切です。

2. ゲームに最も適切なカテゴリを選択する

アプリストアでゲームをリリースする際には、カテゴリを選択しなければなりません。このカテゴリ選びも実はASO対策に関わってくるため、なんとなくで選ばないようにしましょう。Apple・Googleのアルゴリズムは、ゲームに指定されたカテゴリも考慮しながらストアでの表示場所を決めているのです。

App Storeでは、プライマリカテゴリ・セカンダリカテゴリの2つを設定する必要がありますが、ここでプライマリカテゴリに指定したカテゴリ名は、アルゴリズムによって自動的にインデックスされます。つまり、あなたがゲームのプライマリカテゴリを「パズル」に指定した場合、メタデータ内に「パズル」というキーワードをわざわざ含まなくても、パズルゲームを探しているユーザーに対して表示されます。

Playストアでは、選択するカテゴリは一つであるものの、「タグ」というApp Storeでいうセカンダリカテゴリに似たオプションがあり、タグは最大5つまで追加することができます。このタグも、Googleのアルゴリズムに対して、どんなアプリ・ゲームなのかを示唆する要素となります。

ワンポイントアドバイス

タグは、指定しなくてもGoogleにより自動的に指定される場合があります。その中には、「オフライン」「シングル プレーヤー」「スタイライズド」などGoogle Play Console上では選択オプションとして表示されないタグもあります。
Google Playのタグは、検索結果でデベロッパー名の横に表示されるため、コンバージョンにも多少影響を与えます。
Google Playのタグは、検索結果でデベロッパー名の横に表示されるため、コンバージョンにも多少影響を与えます。

3. クリエイティブを最適化するのにA/Bテストを行う

App Store・Google Play両方において、使用するクリエイティブは極めて重要なASO要素です。

ユーザーの目につきやすいゲームのアイコンやスクリーンショット、プレビュー動画などはコンバージョンに大きな影響を与えます。

だからこそ、ユーザーに響くような訴求力が高いデザインを選びたいものですが、客観的な視点でベストなデザインを見極めることは必ずしも簡単なことではありません。そこで非常に参考になるのがA/Bテストを通してユーザーの好みや傾向を把握することです。

A/Bテストで複数のバリエーションを試すことで、特定の市場のオーディエンスにとって、どのようなデザインが最も響くのかを検証し、データをもとに判断を下すことができます。

RPGゲーム「RAID: Shadow Legends」を提供するPlarium Global社は、フィーチャーグラフィックのA/Bテストを通して、元々使用していたキャプション付きのクリエイティブよりもキャプション無しのクリエイティブの方がコンバージョンに良い影響を与えることを知ることができました。また、「Matchington Mansion」もA/Bテストを通して、キャラクターの有無でコンバージョン率がどう変わるかを検証していることがわかります。
RPGゲーム「RAID: Shadow Legends」を提供するPlarium Global社は、フィーチャーグラフィックのA/Bテストを通して、元々使用していたキャプション付きのクリエイティブよりもキャプション無しのクリエイティブの方がコンバージョンに良い影響を与えることを知ることができました。また、「Matchington Mansion」もA/Bテストを通して、キャラクターの有無でコンバージョン率がどう変わるかを検証していることがわかります。

4. ゲームを展開する市場に合わせてアプリページをローカライズする

ゲームを複数の国で展開する場合、それぞれの市場に見合うようアプリページをローカライズすることは欠かせません。ユーザーに馴染みのない言語や親近感のないクリエイティブを使用してしまうと、どんなゲームなのかがうまく伝わらない上に、安心感や信頼性が得られずダウンロードを獲得するチャンスを逃してしまう恐れがあります。

ローカリゼーションを行うには、時間やリソースを十分に割く必要があるため、無駄を省くにもまずは各市場におけるゲームの収益やパフォーマンスなどから、ローカライズする価値のあるマーケットや言語を特定すると良いでしょう。

マーケットをある程度絞ったら、ローカリゼーションにどれくらい注力したいかも決めましょう。ローカリゼーションを効果的に行うには、入念な市場調査やキーワード調査が必要になってくるため、自社が負担できるリソースをわきまえながら戦略を立てることをおすすめします。

さらに、クリエイティブのローカリゼーションを行う際は、単に同じ画像を使いテキストだけを翻訳するのではなく、その国のユーザーが好む要素やその市場特有の季節性の動向なども考慮してデザインを変えるとより効果が得られるかもしれません。これには、同じゲームカテゴリに属している競合アプリがどのようなクリエイティブを使用しているかを観察してみると自社の参考にもなるでしょう。

「Magic Tiles 3」は、アメリカ市場向けにはシンプルなスクリーンショットを使用しているのに対して、日本市場向けには、アニメ要素など日本人ユーザーが好むようなデザインを取り入れた余白の少ないスクリーンショットを使用しています。
「Magic Tiles 3」は、アメリカ市場向けにはシンプルなスクリーンショットを使用しているのに対して、日本市場向けには、アニメ要素など日本人ユーザーが好むようなデザインを取り入れた余白の少ないスクリーンショットを使用しています。

5. ユーザーが残したレビューをチェックして、必要に応じて返信する

新たにリリースするコンテンツや機能のアイデアに行き詰まった際に、ぜひとも参考にしていただきたいのがユーザーが残したレビューです。

客観的な視点でどのようにゲームを改善できるのかがわかる上に、見逃していたバグなどもレビューを通して知らされる場合があるため、こまめに確認することでいち早く対処することができるでしょう。

また、レビューをチェックするだけでなく、返信することもユーザーとのエンゲージメントを高める上では重要です。特に、ネガティブな口コミには優先的に対応することで、ゲームの改善に努める姿勢があることをユーザーにアピールすることができます。

6. ユーザーの評価を促すポップアップをゲームに導入する

ゲームに評価を自ら残すユーザーは、多くの場合、何らかの不満をもったユーザーである傾向にあります。ゲームの総合評価は、ユーザーがアプリをダウンロードするか決める上で重要な判断材料となるため、できる限り高い評価点を維持したいですよね?

工夫なしでは、良い評価を獲得することはなかなか難しいでしょう。そこで、おすすめなのがゲーム内に評価を促すポップアップを導入することです。両ストアとも、ユーザーに評価を残してもらうためのポップアップをゲーム内に追加するオプションを備えているので、ぜひ活用してみてください。

ユーザー視点でのアプリ内レビューのフロー(参照:developer.android)
ユーザー視点でのアプリ内レビューのフロー(参照:developer.android

また、ユーザーに評価を残してもらう際は、適切なタイミングを見計らうことも重要です。ゲームのキリが悪いところでポップアップを表示させては、返って悪い印象を与えてしまいます。タイミングとしては、ユーザーが難しいレベルやチャレンジを達成した後などが最も良い評価を付けてもらいやすいでしょう。

7. カスタムプロダクトページ (CPP) で一人ひとりに合ったカスタマージャーニーを提供する

カスタムプロダクトページ(CPP)は、WebマーケティングでいうLP(ランディングページ)のようなもので、特定のユーザーセグメントに対して表示させるアプリページをカスタマイズすることができます。

CPPは、広告のイメージが強いかもしれませんが、作成したページごとに固有のURLが発行されるため、リンクが貼り付け可能な場所であればどこでも使用することができます。そのため、例えば、コンピューターゲームを好むユーザーが訪れるようなウェブサイトであなたのモバイルゲームを紹介したい場合、 PCとスマホを接続してプレイできる機能を強調したCPPを作成し、そのページに誘導するURLを貼り付けることができます。

このようにユーザーの属性に合わせて表示させるアプリページをカスタマイズすることで、コンバージョン率だけでなく、ユーザーの満足度向上にも繋げられるでしょう。

ワンポイントアドバイス

カスタムプロダクトページは、App Storeのサービスです。Google Playにも「ストアのカスタム掲載情報」というCPPと若干違いはあれども似たような機能があります。

カスタムプロダクトページなどに関する当社独自の2023年ASO予測はこちら


最後に

以上、モバイルゲームのダウンロードを伸ばすためのASOポイントでした!App Store・Google Playそれぞれにおけるアルゴリズムの特徴やユーザーの動向を押さえて、自社に最適なASO戦略を立てましょう。

ただし、すぐに目に見える効果を期待してはいけません。モバイルゲームにおけるアプリストア最適化は、長期にわたって行うべき対策であるため、定期的にパフォーマンスを分析しながら試行錯誤を繰り返すことで最大限の効果が得られるでしょう。

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Rina Yoshida
by , Marketing Manager at AppTweak
Rinaは、AppTweak Japanのマーケティング担当として、日本市場におけるASOの認知度向上に取り組んでいます。趣味は、グルメ探索、ランニング、愛犬と遊ぶこと。