競合アプリを特定するための6つのポイント
ASO対策を行うにあたって、競合の戦略を監視し把握することはとても重要ですが、アプリに適した競合を特定することは、必ずしも簡単なことではありません。「競合」と聞くと、まず思い浮かべるのは自社と類似したアプリを提供している直接的な競合他社かもしれませんが、ASOを行う上では検索結果での可視性における間接的な競合にも目を向ける必要があります。
今回の記事では、AppTweakツールを活用した、適切な競合アプリの見つけ方を6つご紹介します!
セマンティック検索エンジン「Atlas」搭載の競合アプリ提案機能を使う
Atlasの革新的な機能により、より正確に類似性の高い競合アプリを特定することができます。
業界初のアプリストアに特化したセマンティック検索エンジン「Atlas」の開発により、AppTweakは、どのように類似アプリがグループ化されているかや、どのようにキーワードとアプリが紐づけられているかの理解を深めることができました。アプリストアにおけるキーワードの意味合いから近いとされるアプリを見ることも、競合アプリを特定する手段の一つです。ただし、「近い」と判断されるアプリは国や言語によって異なるため、その点は注意しましょう。
ワンポイントアドバイス
AppTweakの競合提案機能を利用することによって、国や言語ごとに競合アプリが特定できます。
自社アプリが属するカテゴリの上位アプリを見る
競合状況を把握するには、自社アプリが属するカテゴリの上位アプリを見ることも重要です。トップチャートを見ることで、どのようなアプリが市場で成功しているのかが把握できる上に、比較対象として参考にできそうなアプリも見つけることができます。
ワンポイントアドバイス
AppTweakの競合選択ツールに新たに追加された「カテゴリ別トップアプリ」項目を使用することで、たったの数秒で同じカテゴリ内の上位アプリを競合として登録できます。
「出会い」カテゴリの上位アプリ(日本、Google Play Store)
さらに、競合として登録するアプリを自社アプリと張り合うようなパフォーマンスのものに絞ることも良いでしょう。例えば、音楽アプリ「Spotify」の場合、下のグラフにあるアプリがサービスにおいて類似性の高いものとなりますが、各アプリの推定ダウンロード数を見ると、Music Widget、Music RFM、Music PlusやMusic TuberはSpotifyと比較してダウンロード数に大幅な差があるため、競合リストから予め除外することをおすすめします。
音楽アプリ「Spotify」と競合アプリの推定ダウンロード数(日本、App Store)
キーワード検索から競合を特定する
アプリによっては、同じカテゴリに属する上位アプリを参考にすることにあまり意味が見出せないケースがあります。このような場合は、自社アプリのブランドキーワード(指名キーワード)や狙いたいキーワードでランクインしているアプリを見ることで、関連性の高い競合が特定できます。
例えば、農業ゲームをリリースしたとすると、同じゲームカテゴリ内で人気なアプリよりも、「農業ゲーム」や「動物 育成」など関連性が高い検索キーワードで上位にランクインしているアプリをベンチマークした方がより適切でしょう。
AppTweakツール上の「ライブ検索」機能を使えば、スマートフォンからいちいち手動で検索しなくても簡単にこのような調査ができます。ライブ検索機能を使って、まずは指名キーワードや関連性の高いキーワード、アプリに多くのダウンロードを促しているキーワードなどを検索して、自社アプリ以外にどんなアプリが上位にランクインしているのか見てみましょう。さらに、検索結果を見るだけでなく、なぜそれらのアプリがランクインしているのかも深掘りながら考えてみると良いかもしれません。自社アプリにコンテンツが似ているのか、ゲームなのか非ゲームなのか、アプリパワーはどれぐらいなのか、アプリ名に同じようなキーワードが含まれているのかなども調査してみましょう。
「英語 勉強」のライブ検索結果(日本、App Store・Google Play Store)
検索結果をスクロールしていると、一見自社アプリと関連性の低い、間接的な競合アプリも上位に出てくることがあります。
「料理」のライブ検索結果(日本、App Store)
上の例からわかる通り、「料理」というキーワードを検索するとレシピアプリや料理ゲームアプリが表示されます。レシピアプリ「クックパッド」にとって、料理ゲームの「クッキングマッドネス」や「クッキングママ」は、直接的な競合ではないかもしれませんが、キーワード最適化を行う上では競合となるので、これらもベンチマークしましょう。
ストアで特集掲載されているアプリから競合を探す
アプリによっては、同じカテゴリ内にあるアプリのジャンルの幅が広すぎて競合が特定しづらいこともあります。例として、iOSの「ライフスタイル」カテゴリを見ると、出会い系アプリや占いアプリ、家計簿アプリやバイト探しアプリなど、多岐にわたるジャンルのアプリが出てきます。もう少しジャンルを絞って競合を見つけたいときに、役に立つのがストアの特集ページです。
ストア特集は、ASO Intelligence > 閲覧 > 特集 > すべてのストーリー から確認できます。
ストア特集から競合を探すには、自社アプリが特集で取り上げられたグループやコレクションのリストから同様に取り上げられているアプリを見ましょう。AppTweakの「閲覧」タブから「特集」>「すべてのストーリー」を開くと、選択中のアプリが特集されたページをすべて確認することができます。また、上の画像のように、プルダウンから特集コレクションを絞り込むことも可能です。
言語学習アプリ「Duolingo」は、「新しい生涯学習」コレクションの「新しいことを始めたい時に」という特集で取り上げられました。この特集では、さらにいくつかのサブカテゴリがあり、Duolingoが含まれている「新しい言語の学習法と辞書」という項目にあるアプリを見ることで、類似性の高い競合アプリを見つけることができます。(日本、App Store – 2022年11月)
「類似アプリ」機能を使って競合調査を行う
AppTweakツール上の「類似アプリ」機能からも競合を見つけ出すことができます。ここでは、ストアのプロダクトページ(iOS)や掲載情報(Android)に表示される「その他おすすめアプリ」が確認できます。
フリマアプリ「メルカリ」のプロダクトページを訪問したユーザーにおすすめされるアプリ(日本、App Store)
上の画像からわかる通り、「その他おすすめ」で表示されるアプリの多くは、機能やターゲットユーザーが似ています。
Apple Search Ads(ASA)・Googleアプリキャンペーンから探す
AppTweakのAd Intelligenceでは、自社での広告運用の有無にかかわらず、自社アプリのブランドキーワードや関連キーワードに入札しているアプリが特定できます。
「オーガニックキーワードの保護」では、自社アプリに最もダウンロードを促しているキーワードの一覧表が表示されます。ここで、それらのキーワードに入札して検索広告を打っているアプリを確認することができます。自社ブランド名に入札しているアプリをチェックすることで、今まで見逃していた競合他社が見つかるかもしれません。
App StoreとGoogle Playそれぞれの広告の仕組みの違いとして、ASAでは運用担当者が自由に入札するキーワードを選ぶことができますが、Googleアプリキャンペーンでは、Googleのアルゴリズムにより入札するキーワードが自動的に設定されます。また、ASAでは他社のブランド名に入札することが可能であるのに対し、Googleアプリキャンペーンでは他社のブランド名で入札されることはありません。つまり、ASAについては自社ブランド名を意図的に狙っている競合アプリが特定できます。
グルメアプリ「食べログ」のブランド名に入札しているアプリのSOV(日本、App Store – 2022年11月)
まとめ
新たな競合アプリを見つけ出す手段は様々です。自社に適したアプリをベンチマークするには、今回ご紹介した各ステップにつき競合アプリを1、2個ピックアップしていくと良いでしょう。
- セマンティック検索エンジン「Atlas」搭載の競合アプリ提案機能を使う
- 自社アプリが属するカテゴリの上位アプリを見る
- キーワード検索から競合を特定する
- ストアで特集掲載されているアプリから競合を探す
- 機能やターゲットユーザーが自社アプリと似ているアプリを探す
- 検索広告において自社の指名キーワードや関連キーワードに入札している競合を特定する
ベンチマークするアプリを探すに当たって忘れてはいけないことは、競合として相応しくないアプリ20個より、適切な競合アプリを3個特定する方が戦略として効果的であることです。AppTweakのツールを活用しながら、有意義な競合調査を行いましょう!